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おしまいのデート。感想【ネタバレ無し】

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瀬尾まいこさんの2011年の作品。「おしまいのデート」というタイトルに非常に興味を惹かれて試し読みをせずに購入。

瀬尾まいこさんの代表作「天国はまだ遠く」の大ファンなので、今回もかなり期待して読んだがやはり面白い。

 

この作品は5作の短編集から成っている小説。この作品のタイトルにもなっている「おしまいのデート」は非常によかった。しかも短編集なので何度も読み返すことができる。3年ほど前に購入して今までに3回は読んだと思うのだがそれでも新鮮な気持ちで読むことのできる作品だ。何度読んでも良い。

 

あらすじ

今回は個人的によかったと思う2話に焦点をあててあらすじの紹介。

まずは1作目、「おしまいのデート」のあらすじ。

タイトルから内容を推測していくと男女間の別れ話を想像させる。しかし何とも可愛らしい言い方なのでギスギスした別れ話という感じではなく、瀬尾まいこさん特有のふんわりとした世界観が広がるようにも想像できる。

しかし実際は老人と少女の話だ。その二人の間柄はおじいちゃんと孫。一見すると「おしまい」も「デート」もあてはまらないようにも思えるが、実は少女の両親は離婚しており母親と一緒に暮らしている。おじいちゃんは少女の父方の祖父。

両親の離婚後も月に一度はおじいちゃんと孫が会うことになっているが、孫の高校受験が近づくにつれてその月に一度の会うことも今日で終わろうとしている。その日が本当に二人にとって最後の日になるのか、それとも。

 

そして2作目は「ランクアップ丼」。

こちらは高校時代の教師と生徒の話。素行の悪い生徒が毎回何かをしでかした時に説教の代わりになぜだかご飯を食べさせる。月日は流れてその生徒が社会人になった時にその先生とまたご飯を食べることになる。その時元生徒は自分の境遇を先生に話すのだが...。

 

読んでみた感想

飄々とした人物を書かせれば瀬尾まいこさんの右にでる作家さんはいない。こういう人物といえば浅田次郎さんの作品にも数多く出てるくるが、浅田さんの作品の人物は根っこの部分が実はヤクザの大親分であったり、元帝国軍人であったり、チャキチャキの江戸っ子気質の人物であったりと一本すごく太い芯のある人物であることが多い。

それに比べて瀬尾まいこさんの書く人々は優しい。とにかく優しい人達ばかりだ。

そんな優しい人達だが飄々としているので、これがまた掛け合いが面白くなる。

掛け合いの面白さは2作目の「ランクアップ丼」。こちらは物語もさることながら主人公同士のテンポのよい掛け合いに舌を巻いたものだ。

 

1作目の「おしまいのデート」もおじいちゃんと孫の掛け合いの面白さは2作目とくらべても遜色ないのだがそれ以上にストーリー展開が素晴らしい。

特に終わり方の持っていきかたは、よくこんなに短い作品でこんなにもうまくまとめれるものだと感動した。とにかく感動した、特にラストに。

例えていうならば、たまたま観ていた世にも奇妙な物語で本当によい作品に巡り会えた感じだ。

 

さいごに

瀬尾まいこさんの作品はどちらかというと女性向けのイメージが強いのでいつも買う時に躊躇してしまう。でも瀬尾まいこさんの作品にでてくる関西弁でなおかつテンポのよい掛け合いは男性が読んでも面白いと思えるから不思議だ。「戸村飯店 青春100連発」なんてむしろ男性向けな感じもする。

この「おしまいのデート」は女性向けなようにもみえるが、全体的にテンポのよい会話は性別問わず誰からも好かれそうな作品だ。

1作目と2作目は瀬尾まいこさんの良いところがギュッと凝縮して詰まっているような作品で非常に楽しめた。たまにはジャケ買いもよいものだ。